あなただけを見つめてる。


そして、休み明け。


学校に着くと、すでに私の前の席の緑川さんは来ていた。



「おはよう、緑川さん」



そう後ろから声をかけると。


緑川さんはくるりと私の方へ姿勢を変えて。



「おはよう」



私の目を見ながらそう言うと、微笑んでくれた。



「……っ!」



うわ~!


今までなら、いつも私が挨拶してもそっけない返事しか返ってこなかったのに、体育祭の打ち上げでけっこう話せたおかげか、今日はちゃんと目を見て挨拶してくれたよ!


それだけでも、私はすっごく嬉しかったのに。



「そういえば、もう具合は大丈夫なの?」


「え?」


「打ち上げの帰り、葉月さんは具合が悪いから先に帰ったって土屋から聞いたから」


「……あ、うん!全然平気っ!」


「そう、ならいいんだけど」



緑川さんから話しかけてきてくれるなんて。


しかも、私のこと心配してくれてたなんて。


やばい!嬉しすぎるよぉ~!

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