あなただけを見つめてる。



「なんであたしがそのことを知ってるかって?あたしの友達にあんたと同じ中学の子がいるからだよ」


「……っ!?」



頭の中が真っ白になっていく。



「その時と同じ目にあいたくなかったら、いい加減もうこれ以上向日くんには近づかないで」


「……!」



それだけ言うと、根本さんは行ってしまった。


私はヘナヘナと床へ崩れ落ちる。



根本さんが、私の過去を知ってるなんて……。



「葉月さんっ、大丈夫!?」



根本さんと入れ替わるようにしてやってきたのは、



「……みどりかわ、さん?」



涙のせいで、緑川さんの顔が歪んで見えた。





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