あなただけを見つめてる。


あるときは、自分の机に菊の花が飾られていることがあったり。


体操着の背中の部分に、油性ペンで“死ね!”って書かれていたり。


靴の中に画びょうがたくさん入れられていて、気付かずにそれをはいて靴下が真っ赤に染まったこともある。


そんなことをされても、はじめは我慢しようと思った。


いつか、こんなことに飽きてやめてくれるだろうって思ったし。


なにより、私が鳴海と別れたくなかったから……。


だから、鳴海にも私が女子にイジメられてることは言わなかった。


自分のせいで私がイジメにあってるって知ったら、きっと鳴海も責任を感じちゃうんじゃないかって思ったのもある。


けど、イジメは1か月過ぎても一向におさまる気配がない。


それどころか、エスカレートするばかりで。


私は精神的にかなり追いつめられていた。


学校に行くことが怖くて。


嫌で嫌で。


それでも行かなきゃって思うんだけど、毎朝のように腹痛と吐き気に襲われる。


次第に、学校も休みがちになって。


私はついに決心した。



「鳴海と、別れたい……」




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