あなただけを見つめてる。



鳴海もわかっていたんだと思う。


だから、私がそう切り出してもすんなりそれを受け入れてくれた。


こんな結末を迎えるくらいなら、鳴海とずっと友達のままでいたほうがずっとよかったよ……。


でも、鳴海と別れたことがみんなの間にも広まると、イジメはパタッとなくなった。


それを知って、告白してくる男子もいたけど、それがまたイジメられる原因になるのが嫌で、私は容姿を地味にすることを心掛けるようになった。


すると、それまでのことがなんだったのかと思うくらい、平和を取り戻した日常。


だけど、エリちゃんとの関係はもう元のように戻ることはなかった。


エリちゃんが“ごめんね”ってそう謝ってきてくれたことがあったけれど、私はそれを受け入れることができなかったんだ。


それから、私は卒業するまでずっとひとりだった。


3年生になって、同じクラスになった子が声をかけてきてくれることもあったけど、私はまたいつか裏切られるかもしれないと思ったら怖くて、自らひとりでいることを選んでいた。


この過去の経験があって、今の私がいるというわけ──。
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