あなただけを見つめてる。


昇降口をでると、相変わらず雨足は強かった。


傘を広げ、正門へと歩き出す。


向日くんと、例の女の子って、まだ正門のところにいたりするのかな……。


って、これじゃ私、根本さんたちと一緒だよね……。


でも、向日くんに会いに来た他校の女子のことが気になってしかたがない。


だってそれがもし、根本さんたちが噂するように、向日くんの彼女だとしたら……。


向日くんが選んだ女の子はどんな子なんだろうって。


どうしても一目見てみたいと思ってしまったんだ。


それに、向日くんのことがなくても、今日は歩きできたからどっちにしたって正門を通って帰るわけだし。


そう自分に言い訳しながら、私は正門へと足早に向かったのだった。
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