あなただけを見つめてる。


今から休憩かぁ。


すると、その途端。



“向日くん、おつかれさま~!”

“よかったらこのタオル使って!”


この瞬間を待ってました!とばかりに、周りにいたギャラリーたちがキャーキャー騒ぎだした。


きっと、暑い中の練習で疲れているはずなのに、向日くんはまったくそんなそぶりは見せなくて、キラキラスマイルでこたえてあげている。


向日くん、優しいなぁ。


私なら絶対に無理。


そのときだった。



……ドキッ!!



ふと、校舎側を見上げた向日くん。


気のせいかもしれないけど。

たぶん、私の勘違いだと思うけど。


向日くんと目が合った気がした。

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