あなただけを見つめてる。
私も自分の分のオレンジサイダーを買うと、向日くんが座っているベンチの端に遠慮がちに腰かけた。
──プシュッ!
ペットボトルの蓋をあけた途端、炭酸が抜ける音がして。
それを喉に流し込むと、さっぱりしたオレンジの香りが口の中に広がって、しゅわしゅわの炭酸がはじけた。
「暑い日に飲むオレンジサイダーは格別にウマイな!」
そう言って、向日くんは嬉しそうに笑った。
オレンジサイダーと向日くん。
ほんとよく似合うな。
向日くんがオレンジサイダーのCMに出たら、絶対この商品ヒットしそう。
「つーか、こんな風に葉月と話すの久しぶりだよな」
こんなに気まずくなってしまったのは、全部私のせい。
「……ごめんね、この前はあんなこと言って」
ずっと謝りたいと思ってた。
今さら謝ったところで遅いけど……。