あなただけを見つめてる。
夏祭り


容赦なく照りつける真夏の太陽に。


青く澄んだ空と真っ白な雲。


7月に入って、毎日のように夏日が続いている。



「あつーい……ひからびちゃいそう……」



最初は喜んでいた窓側の席だけど、夏だけは廊下側がいいと切実に思う。


差し込む日差しのせいで頭がボーッとして、もうすぐテスト期間に入るというのに、これじゃ全然勉強なんてする気になれないよ。


私は、休憩時間に机の上につっぷしていると。



「ひゃっ!!」



突然、頬にひんやりと冷たい感触がして、飛び起きた。


すると、目の前にはオレンジ色のパッケージのペットボトル。



あ、それ。オレンジサイダーだ。




「葉月さんのバテ具合、重症そうだからこれあげる」



そう言って、“はい”と言って渡してくれたのは、緑川さんだった。













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