あなただけを見つめてる。
「え?いいの?」
「葉月さん、それ好きでしょ?」
「……うん。でもなんで知ってるの?」
「そりゃ、毎日のようにそればっかり飲んでるの見てればわかるよ」
「そ、そっか。そうだよねっ」
オレンジサイダーを向日くんにもらったあの日から、向日くんと重ね合わせちゃって、気付けばこればっかり飲んでるからなぁ。
それに、これを飲むと不思議と元気が出てくるんだよね。
「あ、そうだ。お金っ」
私が鞄から財布を取り出そうとすると。
「いいよ、これは私のおごり。そのかわり、今日の放課後、付き合ってくれない?」
「え?放課後?」
初めての緑川さんからの誘いに、驚きと嬉しさで舞い上がりそうだった。