あなただけを見つめてる。
見上げれば、見知らぬ男二人組。
一人は、金髪で両耳にはピアスがジャラジャラついていて。
もう一人は、短髪の黒髪に顎鬚。
二人ともチャラチャラしてそうで、見た目からするとたぶん大学生くらいだ。
「俺らもちょうど二人だし、一緒に回らない?」
ニタニタと気持ち悪い笑みを浮かべる金髪男。
「あたしたち、ここで人と待ち合わせしてるんで」
いつものポーカーフェイスで風香が答えた。
「へぇ、じゃあ、待ってる子が来るまででいいからさ。ほら、行こ行こっ!」
「ちょっ、放してっ!」
金髪男は風香の肩に手を回し、私の肩には顎鬚男の手が回ってきた。
うそでしょ?
気持ち悪くて声が出ない。
それをいいことに、男たちは無理やり私たちを境内の中へと連れて行こうとしている。
この人たち、ヤバイ!
「や、やめてくださいっ!」
精一杯抵抗して、男の手をどけようとするけどビクとも動かない。
どうしようっ?
だれか、助けてっ……!
そう心の中で叫びながら、ギュッと目を瞑ると。
「おいっ!今すぐその手離せよっ!」
……っ!?