あなただけを見つめてる。



そのうち、だんだん日が暮れてきて、提灯の灯りがより一層お祭りムードを演出してくれている。


提灯の灯りに照らされる向日くんの凛々しい横顔。


私、本当に向日くんと一緒にお祭りに来てるんだよね。


なんだか夢みたい。



「陸、射的で勝負しよーぜ!」


「おー!のぞむところだ!」



射的屋の前ではしゃぐ向日くんたち、なんだか子供みたいで可愛いな。


ふたりの様子を風香と見守るようにして見ていると。



「葉月?」



不意に背後から誰かに声をかけられた。


そして、振り向いた次の瞬間。


驚きを隠せない。


だって、そこにいたのは……




「……鳴海?」



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