あなただけを見つめてる。
この男と葉月が、付き合ってた?
しかも、それが原因で葉月はイジメにあってたのか?
「…………」
衝撃的すぎる会話に、俺はその場から動けなかった。
「……やっぱり、私がイジメられてたこと鳴海は知ってたんだ」
男はその言葉に静かにうなずく。
「あの時、葉月のこと守れなくて本当にごめんな」
葉月は黙って首を横に振っていた。
「……もうそんな昔のこと忘れちゃったよ」
そんなの絶対うそだ。
忘れてないから、今でも苦しんでるから、だからそうやって自分を偽った姿でいるんだろ?
「俺は、今でもずっと後悔してる」
「鳴海……」
「あの時は葉月のこと守れなかったけど、今の俺なら……」
……!?
ちょっと待った!
俺は、この続きの言葉に嫌な予感がして。
「葵っ!」
気付いたら、葉月の名前を呼んでいた。