あなただけを見つめてる。
「なんでって……、目が……悪いから……」
「え?だってこれダテなのに?」
「えっ!?」
心臓が止まるかと思うほどドキッとした。
「ちょっとそれ貸して」
「えっ!?いや、ちょっと困りますっ」
だけど、私が抵抗する間もなく、向日くんは私の顔からスッとメガネをはずすとそれを自分にかけていた。
「どう?似合う?」
メガネをかけて、向日くんはニコリと微笑む。
「……っ」
いつから?
いつから向日くんはダテだってことに気付いてたのっ!?
っていうか、この気まずさったらないよ!
「あの……、これは……、その……、」
どうしよう~~!?
何か言わなきゃと思うのに、うまい言い訳が見つからないよぉ~っ!!