あなただけを見つめてる。


ようやく私もメニューが決まり注文した。


ドリンクバーに飲み物をとりに行き、席に戻ってグラスに注いだばかりのオレンジジュースを乾ききった喉に流し込む。


はぁ~生き返った~。


ストローでグラスの中の氷をかき混ぜる。



「ねぇ、鳴海」


「ん?」


「さっき、ラインでメガネかけてきてって言ってたけど、それってどうして?」



私はずっと気になっていたことを鳴海にぶつけた。



「あー、うん。それは、」


「……?」



私は首を傾げながら鳴海の言葉を待つ。



「葉月って可愛いから、他の男の視線が集まるのが嫌でさ……」


「…………」



地味でいれば、男女問わず誰の目にも止まらいってことは、私が一番よく知ってる。


だけど、目にとまってほしくない、なんて。


そんなこと初めて言われたよ。


それは、つまり。


鳴海は私に、地味な姿でいて欲しいと思ってるんだよね?



< 194 / 299 >

この作品をシェア

pagetop