あなただけを見つめてる。
ようやく私もメニューが決まり注文した。
ドリンクバーに飲み物をとりに行き、席に戻ってグラスに注いだばかりのオレンジジュースを乾ききった喉に流し込む。
はぁ~生き返った~。
ストローでグラスの中の氷をかき混ぜる。
「ねぇ、鳴海」
「ん?」
「さっき、ラインでメガネかけてきてって言ってたけど、それってどうして?」
私はずっと気になっていたことを鳴海にぶつけた。
「あー、うん。それは、」
「……?」
私は首を傾げながら鳴海の言葉を待つ。
「葉月って可愛いから、他の男の視線が集まるのが嫌でさ……」
「…………」
地味でいれば、男女問わず誰の目にも止まらいってことは、私が一番よく知ってる。
だけど、目にとまってほしくない、なんて。
そんなこと初めて言われたよ。
それは、つまり。
鳴海は私に、地味な姿でいて欲しいと思ってるんだよね?