あなただけを見つめてる。
鳴海は私の初恋の人で。


初めての彼氏だった人だ。


あの頃は、鳴海のことが好きで好きで。


鳴海のことしか見えてなくて。


だから、あんなことがあっても耐えようと思った。


ずっと好きだった人とやっと付き合うことができたのに、別れるなんて考えられなかったから。


それでも、結果、こうなってしまったのは、私が弱かったせい……。


私は、好きな人よりも、辛い現実から逃げることを選んでしまったんだ。


当時のことを思い出して、私はどうしようもなく胸が苦しくてたまらなかった。



──そのとき。



バッグに入れていたスマホから、ラインの着信をを知らせる音が鳴った。












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