あなただけを見つめてる。
「……そっか」
「……うん。だから、ごめんなさい」
鳴海に、今もまだ好きって言ってもらえて。
それを聞いて、素直に嬉しかった。
ちょっと前の私なら。
朝陽くんに出会う前の私なら。
鳴海からの告白を受け入れてたかもしれない。
ううん、きっと受け入れてた。
でも、今の私は……
「葉月の好きな人ってさ、夏祭りのときに一緒にいたアイツのことだよな?」
「……そうだよ」
もう朝陽くんしか見えていないんだ──。