あなただけを見つめてる。



「……エリ、ちゃん」



エリちゃんと私は、ずっと親友だったから。


裏切られた、あの日までは……。



「……え?……葵?」



そしてまた、エリちゃんもすぐに私だと気付いたみたい。


エリちゃんは、動揺した様子で鳴海と私を交互に見つめていた。




「なんで……ふたりが一緒にいるの?」


「行こう、葉月」




だけど、鳴海は冷たい目でエリちゃんを見つめながらそう言うと、私の手をつかみ、その場から逃げるようにして歩き出した。






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