あなただけを見つめてる。

裏切られることは怖いけど。


それでも、信じたい。一緒にいたい。


そう心から思える友達に出会えたから。



「私なら、大丈夫だから」


「あいつのことも大丈夫なの？いかにもモテそうだけど、一緒にいるとまた葉月が他の女子から嫌な目にあったりするんじゃにの？」


「…………」



鳴海の言うように、私もそのことを恐れてた。


だから、朝陽くんには関わっちゃいけないって。


朝陽くんのことを好きになっちゃいけないって、何度もそう自分に言い聞かせてきた。


でも、頭にいくらそう指令を出しても、心はいうことをきいてくれないんだよ。


人を好きになる気持ちは、誰も止めることなんてできない。


だから、私、決めたの。



「……もう逃げるのはやめることにする」


「……逃げる？」


「そう。いつも何か嫌なことがあると、私はそのことから逃げてばかりだった。でも、逃げずに向き合えば、また違う未来があるんじゃないのかなって」



きっと未来は、自分次第でいくらでも変わるはず。



「なんか葉月、変わったな」


「変わった？」


「葉月を変えたのは、やっぱりあいつなのかな……」


「え？」


「いや、なんでもない。けど、困ったことあれば言えよ？葉月の力になりたいって思うからさ」


「うん。ありがとう、鳴海」



きっと、鳴海やエリちゃんに再会したのは、神様が過去と向き合うキッカケを私に与えてくれるためだったのかもしれない。