あなただけを見つめてる。
そんな祈りが通じたのか、私の線香花火が一番長く持った。
「すげーじゃん、葵!」
朝陽くんが喜んでくれる。
「葉月ちゃんの優勝ー!」
「おめでと、葵」
土屋くんも、風香も喜んでくれる。
なのに、私はそれを素直に喜べない。
線香花火って、終わるとなんでこんなにしんみりしちゃうんだろう?
すると、朝陽くんがパンっと両手を叩いて。
「さてと!じゃあ、今日はこのへんでお開きにすっか」
そう明るく笑顔で言った。
「みんな、今日は私のためにありがとう。すっごく楽しかった」
みんなのおかげで、思い出深い最高の誕生日になったよ。