あなただけを見つめてる。
「朝陽くんは、私にないもの全部持ってるから」
「……たとえば?」
「いつも元気で明るくて。常にポジティブなところとか。気配りができるところとか」
太陽みたいにキラキラまぶしい朝陽くんは、私の憧れなんだ。
私はそんな朝陽くんにどれだけ救われたことか。
朝陽くんがくれた言葉にどれだけ背中を押してもらったことか。
“どんなときでも楽しんだもの勝ち”
あの時くれた言葉が、今でもずっと胸に響いてるの。
「……俺さ、小4のときに弟が死んだんだ」
「……っ!!!!」
それは、あまりにも突然で。
私は絶句して朝陽くんを見上げると、悲しそうな、苦しそうな、だけどどこか悔しさも混じったようななんとも言えない表情をしていた。