あなただけを見つめてる。


髪型を変えただけで、なんだか気分まで明るくなって、私の足取りは軽かった。


その足で、今度は電車を乗り継ぎ風香の家へと向かう。


風香の家まできたとき、私はすぐにインターフォンを鳴らすことができなかった。


だって、イメチェンした私を見た風香がどんな反応をするのかな?って考えたらドキドキしちゃって……。


でも……。


朝陽くんが言ってくれた。


“大切なのは、周りにどう思われるかじゃなく、自分がどうしたいかじゃない?”って。



私は、生唾をゴクンと飲み込み、そして。



「えいっ!押しちゃえっ!」



──ピンポーン!



お、押しちゃったっ!!


バクバクいっている心臓。


玄関前で、そわそわしていると。



──ガチャ!



玄関ドアが開いた。

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