あなただけを見つめてる。


今日も日が暮れるまでサッカーボールを追いかけて。


日焼けして火照った肌がヒリヒリする。



「朝陽~、お疲れーい!」



日焼けしたのは陸も同じで、陸の鼻の頭と頬が赤くなっていた。



「おう、おつかれ」



俺はベンチに座ってスポーツドリンクを飲むんだけど、今欲しいのはこれじゃないんだよなぁ。



「俺、オレンジサイダー買ってくるわ」


「じゃあ、朝陽。俺はコーラでよろしくー!」


「はぁ?ったく、しかたねぇなぁ~」



俺がベンチから立ち上がったそのときだった。


練習中はずっとベンチに置きっぱなしにしていたスマホから、ラインを知らせる着信がなった。



「俺のかな」



俺は自分のスマホに手を伸ばす。


覗きこんだ瞬間、日焼けで火照った身体から一気に血の気がひいていく。



「朝陽?どうかしたか?」



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