あなただけを見つめてる。
「……ヤダよ、朝陽。好きなの、朝陽のこと忘れるなんて無理だよぉ」
「ほんとにごめん……」
「じゃあ、どうして今日会いに来てくれたの?あたしが会ってくれなきゃ死ぬって言ったから?でも、もし、あたしのことなんてもうこれっぽっちも思ってないなら、あたしがどうなったっていいはずでしょ?だったら、何がなんでも最後までシカトで通してくれたらよかったのに!」
「……そんなわけにいかねぇよ」
「そういう、朝陽の中途半端な優しさが残酷なんだよっ!」
「…………」
……俺の優しさが、残酷?
「それに、朝陽だってあたしが本気で死ぬって言ってるわけじゃないことくらいわかってたくせにっ!」
「……だったら、死ぬなんて言葉、簡単に使うなよ!」
「……っ!」
「桜子は、明日どうなるかもわからない、生きたくても生きれないヤツの前でも同じセリフが言えんの?」
「…………」
桜子は俺の言葉に戸惑っていた。