あなただけを見つめてる。



至近距離で朝陽くんが私を見てるっ。


しかも、明らかに驚きを隠せない様子で固まっちゃってるし。


いつもおちゃらけてる土屋くんさえも、口をポカーンと開けたまま、黙って私を見ているだけだ。


朝陽くんは今、イメチェンした私を見てどう思ってるんだろう?


私は、ドキドキで心臓が壊れちゃいそうだった。


だけど。



「すっげー可愛いじゃん!似合うよ、葵」



満面の笑顔の朝陽くんからその言葉を聞けた瞬間、それまでの不安が一気に吹き飛んだ。


おもわず、嬉しくてはにかむと。



「朝陽、おまえその子と知り合いなの?紹介してくれよ」



転入生と信じて疑わない男子たちは、私たちのところまで近寄ってくるとそんなことを真顔で言っている。



「ばーか。紹介するもなにも、同じクラスの葉月葵だっつーの」



朝陽くんはあきれ気味にそう言うと。



「葉月葵??……え?……えぇえええっ!!!?」



目の前の男子は、本気で驚いていた。



「葉月って、黒縁メガネかけてて、髪長くて、地味だったあの葉月!?」


「おい、おまえ、その言い方超失礼。謝れ」


「……大丈夫だよ、ほんとのことだし」



私は苦笑いしながら、怒ってくれた朝陽くんをさとした。











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