あなただけを見つめてる。



「葵ちゃん!」



風香と一緒に体育館へ行く途中、私たちの後ろから声をかけてきてくれたのは、希子ちゃんと望ちゃんだった。



「ふたりともおはよう。久しぶりだね!元気だった?」



私はふたりに笑顔を向けた。



「うん!それより、葵ちゃん!どうしたのっ?」



普段、落ち着いた二人も今は興奮した様子だった。



「……う~ん、ちょっとイメチェンしようかなって思って」



そう言ってはにかむ私。


そこへ、クラスの女子たちも数人やって来た。



「葉月さんて実は超美人だったんだね!」


「ほんとびっくりだよぉ~!こんなに可愛いかったなんてっ!」


「今の方が絶対いいよ!モデルさんみたいっ♪」


「どこの美容院で切ったの?今度教えて~!」



今までほとんど話したことがなかった子たちにまでそんなことを言ってもらえるなんて。



「……ありがとう」



みんなには私が突然のイメチェンをしたことによってものすごくビックリされちゃったけど。


でも、自分が変われば、周りも変わるんだって。


そう肌で感じていた。
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