あなただけを見つめてる。
新しい私になるために
2学期が始まってからは、今月の終わりに学園祭があるため、毎日のホームルームの時間はクラスの出し物について話を詰めていったり、放課後はその準備に追われる毎日を過ごしていた。
「学園祭でうちのクラスはチョコバナナをやることになりましたが、だれか看板作りをお願いできませんか?」
うちのクラスの学園祭実行委員男女2人が、教壇に立ってみんなに話をふった。
“看板作りだって。なんか大変そうじゃない?”
“あたしそういうのセンスないし”
“こういうのは得意な人がやった方がいいよね”
そんな会話がどこからか聞こえてくる。
だけど、引き受ける人はなかなか出なくて。
手をあげるかあげまいかずっと迷っていたけど──。
「はい。私でよければ、やります」
今私、心臓が爆発しちゃいそうなくらいドキドキしてる。
その瞬間、教室はより一層ざわめきを増し、クラスメートたちみんなが私のことを驚いた顔で見ていた。