あなただけを見つめてる。
自ら手を挙げたものの、自分から率先して何かをやろうとするなんてこれが初めてのことだから、みんなが驚くのも無理もない。
でも、次の瞬間、隣にいた朝陽くんと、目の前に座る風香が笑顔で拍手してくれて。
それにつられて、クラスのみんなも大きな拍手をしてくれてすごくホッとした。
すると。
「はい、あたしもやります」
そう言って手を挙げてくれたのは、希子ちゃんだった。
「……あたしも、やります」
望ちゃんまで?
あまりにも意外すぎる二人の行動に私は驚きを隠せなかった。
だって、希子ちゃんも望ちゃんも私と一緒で、進んで何かをやろうとする子たちではなかったから。
「ありがとうございます。看板作りを美術部の3人が引き受けてくれてとても心強いです。よろしくお願いします」
実行委員の女の子は、看板作りの係が決まって安堵の表情を浮かべていた。
「それから、毎年恒例の美男美女コンテストの応募締め切りは今週の金曜日までとなっていますので、参加希望の方は金曜日までに実行委員まで参加用紙を提出して下さい」
そう言って締めくくられた。