あなただけを見つめてる。


文化祭に向けて各学年、各クラスがそれぞれその準備に終われる毎日の中で。


それは突然起きた。


いつも通り学校に行くと。


昨日まで笑顔で挨拶してくれていたクラスメートたちがなんだか急によそよそしくて。


その瞬間、中学のときのあの日の出来事がフラッシュバックして、動悸が激しくなる。


きっと、何かあったんだ。絶対そうに決まってる。



“あんたがそういうつもりなら、こっちにだって考えがあるんだから”



根本さんから言われた言葉を思い出し、嫌な直感が働いた。


きっと、根本さんたちが何かしたんだ……。


じゃなきゃ、こんな異様な空気になるわけないもん。


何?何が起きてるの??


私は不安でいっぱいだった。


その時。



「葵!大変!」



慌てた様子で教室の中に飛び込んできたのは、風香だった。

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