あなただけを見つめてる。
「一緒に映ってるのって、たしか、葵の元カレだよね?」
「……うん」
風香の言うとおり、プリントの一番上に載っていたのは、私と鳴海が手をつないで歩いている写真だった。
これって、夏休みに鳴海とファミレスで食事して、帰ろうとしたときのだよね……。
「でも、なんでこんな写真が……」
理解できずに私はもうパニックだった。
しかも、写真の下にはこんなことが書かれていた。
【中学の時から男好きで有名な葉月葵。
中学の時から付き合ってる彼氏がいながら、同じクラスの向日朝陽を狙っている最低な女!】
こんなの全部でたらめだよっ!
私は、掲示板に貼られたそのプリントをはがすために、掲示板の前にできた人だかりをかきわけ、前に出ようとしていたとき。
「ちょっとおまえらどけよっ!」
「……っ!?」
私のすぐ後ろから聞き覚えのある声がしたかと思えば。
えっ!?朝陽くんっ!?
「誰だよっ!こんなことするヤツ!!」
朝陽くんは怒りを露わにしながらそのプリントを思いっきりはがすとグシャグシャっと丸め潰した。
その行動に私だけでなく、周りにいた人たちもアッと驚いている。