あなただけを見つめてる。


「前にあんたに言ったでしょ?あたしには、あんたと同じ中学だった友達がいるって」


「…………」


「その友達っていうのは、中学時代あんたの親友だった小野寺エリなんだよ」


「……っ!!」



……うそ。


まさか、エリちゃんと根本さんがつながってたなんて……。



「ふはははっ、その驚いた顔、ほんとウケんだけどっ!マジ最高っ!」



根本さんたちは私の反応を見て完全に面白がっている。



「中学のとき、あたしとエリは同じ塾だったんだよ。高校に入ってから始めたバイト先で偶然再会したの。世間てほんと狭いよね~♪」



そういうこと、だったんだ……。


あの写真は、エリちゃんが撮ったものだったんだね。


それで、それを根本さんに……。



「……っ」



とっくの前に私たちの友情なんて壊れてるはずなのに。


それなのに、なんでこんなに悲しいんだろう。


なんでヘコんでるんだろう、私……。
< 266 / 299 >

この作品をシェア

pagetop