あなただけを見つめてる。
「それから、私、朝陽くんにお願いがあるの」
「お願い?」
なんだろう?俺にお願いって。
「学園祭で毎年恒例の美男美女コンテストがあるでしょ?朝陽くんは去年も出場して、グランプリ獲ってたよね」
「あー、そんなこともあったっけ」
つーか、あれは陸が勝手に俺の名前で参加用紙提出しちゃったから出場するハメになったんだけどな。
「私、今年のコンテストに出ようと思ってる」
俺の目を見ながら、葵はそう言った。
「えっ!?葵が!?」
一緒に聞いていた緑川が驚きの声を上げた。
もちろん、驚いてるのは俺も同じだった。
「それで、朝陽くんにも一緒に出場してもらえないかな?」
……っ!
まさか、葵の口からそんなコンテストのことが飛び出すなんて思ってもなかったよ。
けど、きっと、葵の中で考えがあってのことなんだよな。
「わかった。出ようぜ、コンテスト」