あなただけを見つめてる。
「葉月さん、5位に入ってたなんてすごいね!」
「あたし、実は葉月さんに投票してたから嬉しいな~♪当日も絶対、葉月さんに票入れるから頑張ってね!」
「あたしもあたしも!応援してるからね!」
ホームルームが終わるなり、私の席まで来てくれたのはクラスメートの女子たちだった。
「みんな、ありがとう」
まさか、私に投票してくれていたなんて……。
驚きと嬉しさで、胸が熱くなっていく。
「もうここまで来たら、向日くんと葉月さんふたりにグランプリ獲ってもらいたいよね!」
「うん!絶対、獲ってほしい~!他のクラスの友達とか、他の学年の知り合いにもアピっとくからね!」
そう言うと、女子たちは盛り上がりながらどこかへと行ってしまった。
「みんな葵が変わろうと頑張ってること、ちゃんとわかってくれてるんだよ」
今の様子を見ていた風香が、目を細めてそう言ってくれた。
「うん!」
努力はけして無駄にはならない。
見てくれてる人はちゃんとわかってくれてるんだ──。