あなただけを見つめてる。
本当のキモチ
長いゴールデンウィーク明けの朝。
今日からまた、学校が始まる。
「葵~!早くおきなさい!」
朝が弱い私は、いつもお母さんに決まった時間に起こしてもらっているのだけど。
「おはよ、お母さん」
「えっ?葵、もう起きてたの?」
お母さんは、すでに制服に着替え終えている私を見て目を丸くしている。
「なんか、今日はめずらしく早くに目が覚めちゃって」
このゴールデンウィークは、家でテレビを見たり、希子ちゃんに借りた少女マンガを読んだり、買い物にでかけたりして過ごしてた。
いつもなら、休み明け前日になると、このままずっと学校なんて休みでいいのにって思うのに。
昨日だけは違った。
ううん、連休二日目から思ってた。
早く学校に行きたい──。
そんなふうに思ったのは、高校に入ってからは初めてのことかもしれない。