あなただけを見つめてる。
「おはよー、希子ちゃん」
「おはよ。葵ちゃん、どしたの?今日は早いね」
「今日はなぜか早起きしちゃって」
私はそう言って苦笑い。
いつもなら学校に着くのはチャイムがなるギリギリだもんなぁ。
だから、こんなに早く来たの初めてかも。
教室にはまだ私たちを入れて5人くらいしか来てないし。
「そうそう、借りてたマンガありがとね。おもしろかったー」
借りていたマンガを鞄から取り出し、希子ちゃんに渡した。
「でしょー?また続きもってるくね♪」
「うん、よろしく」
私はいったん自分の席に戻って机の上に鞄を置く。
そのとき、視界に入る、私の隣の席。
向日くん、早く来ないかな……。
そう思うだけで、私の心臓は勝手に早っていく。