あなただけを見つめてる。
「とにかく、向日くんにちょっと気にかけてもらってるからって葉月さんまでいい気になんないでよね?」
「…………」
べつに、私いい気になんてなってない……。
「まぁ、仮に葉月さんが向日くんに好意を寄せてたとしても、向日くんが葉月さんみたいな地味な子を好きになるとは思えないけどっ?」
“あはははっ!”
3人は散々私を小馬鹿にすると、満足げにトイレから出て行った。
「…………」
根本さんたちのあのバカにした笑い声が、私の忘れたい記憶とリンクして、どうしようもなく胸が苦しくてしかたなかった……。