いっぱい好きになってもらうから。
 メグが大きな瞳に涙をためて私を見た。私も同じくらい残念で悲しくて悔しい気持ちだったけど、涙は見せずにメグの両手をしっかりと握る。

「大丈夫。まだ試合は残ってるし、たとえ2位でも入れ替え戦があるじゃない」
「そうよね。でも、1位との直接対決だったから、たっちゃんも絶対勝ちたかったはずよー。昨日、たっちゃんがすごく不安そうにしてたから、私、励ましたつもりだったのになぁ。足りなかったのかなぁ」

 メグが悲しそうに言った。

「そんなことないよ。タツキはメグのおかげで全力を出せたと思うよ」

 そう言いながらも、私は胸がズキズキと痛むのを感じていた。あのタツキでも不安になるんだ。きっと彼は、彼女のメグの前では、私なんかの知らない表情を見せるんだろうな。

 メグがしゃくりあげ始めたので、私は彼女の背中をよしよしと撫でた。

「タツキ、まだ立ち上がれないぞ」

 コウタの声に、私はピッチを見た。よっぽど落胆しているのか、タツキはピッチに座り込み、ほかの選手が彼の手を引いて立たせようとしている。

「今こそメグの出番よ。しっかり慰めてあげないとね」

 私が言うと、メグが小さく微笑んだ。

「私、たっちゃんのところに行くね」
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