いっぱい好きになってもらうから。
私も足を止めて、隣に立つ彼を見上げた。後ろから歩いて来た人たちが、私たちを避けるように二手に分かれて通っていく。誰かの「邪魔だよ」という声が聞こえてきたので、私は壁際に寄った。コウタは一歩私に近づいたが、歩き出そうとはしない。
「ねえ、帰らないの?」
私が問うと、コウタが押し殺したような声で答えた。
「なんでそんな顔をしてるんだよ」
「え?」
意味がわからず、私は首を傾けた。
「いつまでタツキを見てるんだよ」
コウタの言葉にドキッとしたけど、それを悟られないように私は笑って言う。
「何言ってるの? もう試合は終わったんだから……ここにタツキがいるわけないでしょ」
「そんなことを言ってるんじゃないって……わかってるだろ」
コウタは横を向き、イライラしたように片手で髪を掻き上げた。いつもの彼と様子が違う。
「何が言いたいの?」
「だからっ、アオイはいつまでタツキを想ってるんだよって言ってるんだよ」
コウタの言葉に私は思わず息を呑んだ。何も言えないでいると、コウタが私を見て言う。
「タツキはメグと付き合ってもう五年になるんだぞ。いつまでも振り向いてくれない相手ばっかり見てんなよ」
「ねえ、帰らないの?」
私が問うと、コウタが押し殺したような声で答えた。
「なんでそんな顔をしてるんだよ」
「え?」
意味がわからず、私は首を傾けた。
「いつまでタツキを見てるんだよ」
コウタの言葉にドキッとしたけど、それを悟られないように私は笑って言う。
「何言ってるの? もう試合は終わったんだから……ここにタツキがいるわけないでしょ」
「そんなことを言ってるんじゃないって……わかってるだろ」
コウタは横を向き、イライラしたように片手で髪を掻き上げた。いつもの彼と様子が違う。
「何が言いたいの?」
「だからっ、アオイはいつまでタツキを想ってるんだよって言ってるんだよ」
コウタの言葉に私は思わず息を呑んだ。何も言えないでいると、コウタが私を見て言う。
「タツキはメグと付き合ってもう五年になるんだぞ。いつまでも振り向いてくれない相手ばっかり見てんなよ」