ドライアイス
「皆川くん、今とあんまり変わらない?」


「全然。あのまま」



うん、なんとなく想像つくかな。


クラスの誰とでも分け隔てなく話す人。


距離感だとか、彼とは感じなかった。



「東吾は本読んでようが、音楽聴いてようがお構い無しで話し掛けてくるんだよ。無視してもめげない」


「無視は可哀想でしょ」


「それくらいが丁度いいんだよ」


それかなりひどい。


って、あれ?


「皆川くんって下の名前東吾くんって言うの?」


「そうだけど、え?」



吉澤くんは目を大きく見開いて、私を見た。


そうなんだ。


皆川くんって、皆川東吾[ミナガワトウゴ]くんって言うんだね。




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