ドライアイス
「お前、知らなかったの?」


「全然知らなかった…」


「うわ、眼中にないって証拠じゃん」


「そんなこと…ああ、まあ、でも名字は覚えてたし」


「まあ俺も、名前知らない奴とかクラスに普通にいるし、人のこと言えねぇか」



吉澤くんが喋り終えると、自然と無言になった。


似た者同士なのかな、私たち。


空気感とか?



それからバス停に着くと、いつも通り別れた。




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