ドライアイス
「あ、携帯光った」



メールか?


水瀬?


もう着いた…訳ないよな。


いくらなんでも早すぎる。



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
吉澤くん


まだ家じゃあないんだけど、暇だったのでメールしちゃいました。

今日はありがとう。
突然すぎる誘いに驚いたけど嬉しかった。
正直あの泣き顔は忘れてほしいけど。
映画は当分いいかな。
今度は、私が吉澤くんに付き合うね。

じゃあ、また明日学校で。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



「…」



これ、家で読みたかった。


電車の中で開くんじゃなかった。


あと何駅な訳。


"今度は"ってさ、まあ、決まり文句みたいな意味で使ったかもしれないけどさ。


本気の意味で捉えるよ、俺?


今はまだ友達でも、どんどん中に入ってってやるから。



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
水瀬


また明日じゃねぇだろ。
俺はお前が無事家に着けたか知りたいから、メールしろって言ったの。
まあ、メールは別にしていいけどさ。
今無事だってことは知れた訳だし。

んじゃ、後でまたメールよろしく。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


俺はきっと笑っていただろう。


もう怪しくても構わない。


これでまた水瀬からの言葉がもらえる約束を取り付けれたんだ。


嬉しくない訳がないだろうが。




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