ドライアイス
「ほぼ初対面だったのよ?」


「だとしても、感情なんて二の次。とりあえず付き合うことが大事なんだって。感情なんて、後からついてくるもんなんだから」



圧倒された。


あまりの妹の勢いに。


そうか、そういうものかと思う。


でも正直、そんなことを言われてもとも思う。


少し興奮気味の透を、母が落ち着かせる。



「まあ急がなくてもいいんじゃない?時がくれば来るわよ、お姉ちゃんにだって」


「いやだって、もったいなくない?」



透が母に同意を求めた。


だが母は首を少し傾ける。



「私も好きでもないから断ってたからねー。同意はできないかな」


その言葉に顔を歪める透。


信じられないらしい。


反対に私は、母の言葉に深く同意し、安心した。


私の考えは間違いじゃないんだって気付けたから。




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