ドライアイス
というところで母からの助け船。


もうすぐ出かける時間ではないのかと、妹に伝える。



「…まだすっごく言い足りないのに」



透は不完全燃焼のようだ。


だが仕方ないと立ち上がり、足元に置いていた鞄を手に持ち、玄関へ向かう。



「とも姉、話はまだ終わってないんだからね」


「はいはい。遅刻するよ」



軽くあしらうと睨まれたが、少し急ぐらしい。


行ってきますと一言やけ気味に言うと、すぐ出て行った。



思わず溜め息が出た。


あまりにもこういうことを考えることに、慣れなくて。


その様子に軽く笑う母。



「こんな話、初めてなんじゃない?」


「そうだね」



母は嬉しそうだ。


加えて彼の名前も聞かれる。


母も母で、少し気になっているようだ。




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