ドライアイス
「水瀬はバイトとかしてない訳?」



吉澤くんの言葉に無言で頷く。


夏期講習もとってないことを告げると、何かしろよと一言。


だって読書くらいしかしたいことないし。



「俺も、講習だけはお断りだな」



本気で嫌そうな顔で皆川くんが口を開いた。



「冬は講習、必須なんだぜ?夏くらい楽しませろよって話だろ。な?」


「いやそれ、賛同する相手が可笑しいだろ」



仲間を見つけたような顔をした皆川くんを、吉澤くんが即座に否定した。



でも皆川くんが言うことも一理だと思う。


楽しむため、って訳でもないけど。



好きなことを好きな時に、好きなだけやりたい。


時間をあまり束縛されたくない。


授業はあくまで学生の義務だから、まだ割り切れる。


でも講習をとってまでは…なんだよね。


だから不得意科目が全然伸びないんだろうな。




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