ドライアイス
そしてポーチや携帯などを鞄に詰め込み、部屋を出ようとした。



「あ、忘れ物」



椅子の背もたれのところに、掛けていた袋を手に持つ。



「これ忘れちゃ駄目よね。せっかく買ったんだもの」



これはプレゼント。


吉澤くんへの誕生日プレゼントだ。



1週間ほど前、突然皆川くんからメールが来た。


吉澤くんの誕生日が8月というメールが。


いきなり過ぎて戸惑ったけれど、せっかくだからと用意した。


すっごく迷った。


何にしたらいいのかがわからなくて。



吉澤くんは、甘党で音楽好きって印象。


プレゼントに食べ物は抵抗がある。


なら、何か実用的なものがいいと。



これなら、と思うものを選んだけれど、やっぱり緊張する。


喜んでくれますように。



少し祈りながら、待ち合わせ場所である駅前に向かった。




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