年下彼氏の甘い嫉妬
「てか真衣さあ、そろそろ恋しなよ。もうアラサーだよ」


「恋?仕事で手いっぱいなのに出来るわけないじゃん」


コーヒーのカップをベンチに置いて、タバコに火をつける。


吐いた煙が空に上がり、風に吹かれて消えていった。


「私さ、わんこくんとかいいと思うよ。癒し系で」


「ないない」


首を横に振り、近くにあった灰皿でタバコを消す。


「じゃあさ、今度の私の結婚式で相手さがそうよ」


「え~」


「そこそこのお金持ちが集まると思うけど?」


そう言って小首をかしげる優子は、本当に幸せそうだ。


「そろそろ戻ろっか」


そう優子に声をかけ、最後にコーヒーを飲みほしてベンチを立った。


午後10時、やっと仕事が終わり家路に着く。


部屋の鍵を開けると、一人暮らしをしている部屋から明かりが漏れ、ドタドタと足音が聞こえてきた。
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