年下彼氏の甘い嫉妬
そう答えると、「真衣ちゃん大好き~」と言って良也が私を抱きしめてきた。


なんか本当に、この子には可愛いって言葉が似合う。


いまだに弟みたいな感覚が抜けないから、余計にそう思うのかもしれないけど。


次の日、朝から会議やら次のプレゼンの資料作りに追われ、気づいたら就業時間の午後5時。


そういえば、今日は仕事に着いてから一回も良也と話してないなと思っていたら、「斎藤さーん。ちょっといいかな」と部長に呼ばれて席を立った。


部長の席に向かう途中、一瞬だけ良也と目が合う。


ちょっとだけ不機嫌そうな顔を見せたあと、すぐに笑みを浮かべる。


そんな表情するなんて珍しいなと思いながらも、部長の傍に立った。


「ここの数字なんだけどさ~」


「あーこれですね」


この部長は、いわゆるセクハラ親父。


特に私のことがお気に入りらしく、事あるごとに私を呼び出す。


仕事のことで呼び出されているのか、セクハラするために呼び出してるのか分からないくらい、今も嫌なところを触ってくる。


部長が差し出す資料に目を通しながら、いい加減このエロジジイをどうにかしなくてはと思っていると、「部長、ちょっといいですか?」と言って同期の高橋君がこっちに声をかけてきた。


「すみません、この案件なんですけど」
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