年下彼氏の甘い嫉妬
「ああ、これか。斎藤さん、もう戻っていいよ」


「はい」


部長が資料を見ている隙に、高橋君が顔を上げて口パクで「大丈夫?」と聞いてくる。


それに「大丈夫」と口パクで答えて、席に戻った。


仕事終わり、飲みに行く同期のメンバーで会場まで向かう。


「高橋君!さっきはありがとう」


私の少し前を歩いていた高橋君に声をかけ、助けてもらったお礼を言う。


「いや、気にしないで。あの部長、いつもあんな感じだけど大丈夫?」


「大丈夫。まあ、ムカついて張り倒したくなるときはあるけど」


「あはは。でもあの部長、無駄に仕事は出来るから」


「そうなんだよね。セクハラさえなければ完璧なのに」


そんな話をしながら歩いていると、「真衣!」って言って優子が背中に抱き付いてきた。


「なあに?二人とももしかしていい感じ?付き合ってるの?」


優子のその言葉に、周りにいた同期もワイワイと騒ぎ出す。


「そんなわけないでしょ!」
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