カクテル・キス
11月初めに大学の学園祭が終わり、
今日はサークルでその打ち上げ。
「全然進んでないじゃーん、飲もうよー」
中庭で屋台をやったうちのサークルは大成功で、
先輩たちの上機嫌さに笑みがこぼれつつも
私は目の前に広げられた品書きを見て首を振る。
「私、まだ19です。
飲みませんよ!」
周りを見れば、
みんなの良い飲みっぷりが目に入るけど、
私は流されない。
それに、童顔な方だから、
飲んでお店出たら警察とかに注意されそうで怖い。
「大丈夫だってー」
そういう先輩をしのぐために必死に言い訳を考える。
「す、すいません!
お手洗い行ってきますね!」