カクテル・キス
「もももも森山さんっ!?」
声が上ずりながらも、
自分を抱えている、
目の前の男性は誰かを確認する。
「うん、そうだけど……どうした?」
不思議そうに首をかしげた
森山さんの顔が
私に一気に近づく。
「い、いえ!!
ぼーっとしてました、すみません……」
まさか、今の今まで考えていた人が
急に目の前に現れたらびっくりするよ!
しかも、近い。
「なんか顔赤いけど、酔ってるの?」
彼の片手はさっき私を支えるため腰にまわされたまま、
森山さんはもう片手をトンと壁についた。