カクテル・キス
「……森山さん」
再び声が震える。
声に気づいて振り向いた彼に
近づいていく。
「え、愛華ちゃん……!?」
なんでだろ、
私絶対酔ってないのにな。
こんな大胆なこと、しようとするなんて。
彼の肩に手をかける。
「え、えっ?――」
肩にかけた手をそのまま腕へ滑らせて
戸惑う彼をそのまま壁につける。
もう片方の手を、壁において。
「アルコールの味、教えてください」――
――絡まる舌から感じたのは
甘い甘い、カクテルのフレーバー。
Fin.